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心不全症

高齢化、生活習慣病の増加、心筋梗塞後の救命率向上などに伴い、日本の心不全患者数は増加しています。心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、徐々に悪化し、生命を縮める病気と言えるでしょう。一旦発症すると完治させることが難しく、命に関わってしまいます。日本では心臓病による死亡はがんについで2番目に多く、その中で最も多いのが心不全による死亡です。

心不全の原因は、虚血性心疾患や心筋症などの心臓の筋肉の病や高血圧、弁膜症、不整脈などが挙げられます。

心不全の症状の進行は、ステージA(生活習慣病などのリスクステージ)、B(心臓病ステージ)、C(心不全ステージ)、D(難治性・末期心不全ステージ)の4つのステージに分類されます。ステージ A・B は心不全になるリスクが高いというステージで、予防の重要性が示されています。

ステージCは、心臓の機能が低下し、さまざまな症状が急性的に出現し悪化した[急性心不全]の状態です。治療により病状が安定すると[慢性心不全]に移行します。

ステージDでは、慢性心不全から急に状態が悪化して再び急性心不全となることを繰り返し、徐々に重症化していきます。

症状としては、動悸、息切れ、寝た姿勢での呼吸が苦しくなったり、疲労感、食欲不振、 手足の冷え、尿量の低下、むくみ、抑うつ感などもみられます。

当クリニックでの検査は詳細な問診、身体診察のうえ、胸部 X 線検査、心電図検査、ナトリウム利尿ペプチド(BNP あるいは NT-proBNP)測定、心臓超音波検査を行います。その結果によりカテーテル検査など専門的な検査が必要な場合には専門病院を紹介いたします。

治療の目標は経過の改善と症状の軽減です。ステージ C では個々の病態に応じて薬物療法などが行われ、ステージ Dでは補助人工心臓、心臓移植、緩和ケアが検討されます。

禁煙、禁酒、減塩食、適度な運動などの生活習慣の改善が必要です。また、そのほかの注意点として、過労や水分の過剰摂取を避け、かぜの予防も重要です。

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