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循環器疾患の検査とは

・胸部X線撮影(レントゲン検査)

放射線の一種であるX線を背中側から照射することで、心臓、肺、血管の様子を画像で確認できる検査です。なおX線による被ばく量はほんのわずかです。心拡大をきたす病気(心筋症、心筋梗塞や弁膜症等)の有無、大動脈の拡大、心不全による肺水腫、肺がんや肺炎といったものを確認します。

 

・心電図検査

心臓から発せられる微弱な電流を計測することで、心臓の状態(脈拍、正常な脈の打ち方、心臓の大きさ、狭心症、心筋梗塞、不整脈など)を調べる検査です。12誘導心電図と呼ばれる、手首、足首、胸に電極を張り付けて心臓の電気信号を記録します。検査にかかる時間は、ほんの1~2分程度です。定期的に受けていただき、時間経過での心電図波形を比較して心臓に変化がないかチェックしていきます。

 

・ホルター心電図

12誘導心電図などの心電図検査では、時間が短すぎて発見できない症状(不整脈、狭心症など)を調べる検査です。ホルター心電図は、携帯用の心電図記録計で24時間以上計測できます。したがって、特定の時間帯にだけ、あるいは不意に生じる不整脈についてもしっかり記録できます。検査中の注意点についてはホルター心電図を装着する前にご説明いたします。

 

・心臓超音波検査(心エコー)

超音波とは、人の耳では聞くことができない高周波の音のことです(20kHz以上)。これを検査箇所(心臓など)に向けて発信し、反射波(エコー)を超音波診断装置が受信することで、心臓やその周囲の様子が画像で確認できる検査です。心臓の大きさや形、収縮と拡張の程度、弁の状態などを調べることができます。具体的にはこの検査によって、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心肥大、心筋症、心臓弁膜症、心不全、先天性心疾患などを確認できます。直接心臓の運動機能を素早く調べることができる検査なので、今の自分の心臓の状態を知る上でもぜひ一度お受け頂きたいと思います。

 

・頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)

頸動脈を超音波で検査することにより動脈硬化の進行度がわかります。頸動脈エコーによって測定される血管の内側の厚さは心筋梗塞や脳梗塞の発症と関連することが報告されています。ご自身の動脈硬化の程度も評価できますので、ぜひ一度お受けいただきたい検査の一つです。

 

・下肢静脈血管エコー

静脈血栓塞栓症とは脚の太い静脈(深部静脈)という血管に血の塊(血栓)ができてこれが流れて心臓に到達し肺への血液の流れを閉塞(肺血栓塞栓症)してしまう疾患です。脚が浮腫むことで発症しますが、突然呼吸が苦しくなり命に関わることもあります。この診断に最も役立つのが下肢静脈エコーです。脚のむくみのある方はぜひ一度お受けください。

 

・全身動脈硬化スクリーニング検査ー血管機能検査

全身の動脈硬化がどれくらい進行しているかは自分ではわかりません。それを調べるのが血管機能検査です。具体的には腕と脚の血圧を測定して比べ、脚の血管が狭くなっていないかを調べます。脚の血管の動脈硬化のある人は心臓や脳の動脈硬化が進行している可能性が高いためこの検査は発症予防の観点から非常に役立ちます。そのほか血管の弾力性も測定いたします。弾力性が改善されれば脳や心臓血管の疾患が改善することも報告されており、定期的な検査をおすすめします。

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